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 総  論

10.院内外の案内表示の方法 

 

 (1)外国人の案内表示の理解度 

 

 医療機関には、建物の外側や院内にいくつもの案内表示がありますが、日本語だけで書かれている場合がほとんどです。これを外国人患者さんはどの程度理解できるでしょうか。201010月に実施した愛知県内の定住外国人への聞き取り調査(有効回答数964名)によれば、「聞く」、「話す」においては、「できる」+「だいたいできる」の回答が61.7%、54.8%であったのに対し、「読む」、「書く」では36.6%、31.2%でした。つまり、県内の定住外国人の7割近くの人が、案内表示の文字を読むことができないということになります。特に非漢字圏の外国人には漢字の判読は困難を極めるようで、かなを振るだけでも理解できる人は多いといいます。またカタカナも苦手な人が多いので、ひらがなを振るとより親切な対応となります。

 外国人診察を効率的に行うためには、病院の院内外での多言語表示が必要となってきますが、キーワードは「万国共通に判りやすいこと」です。見落としがちなのが、外看板や診察券に記載されている内容、病院名、診療科目、診察時間、休日・休診についての案内でしょう。特に診察券は、数あるカードの中から探さなくてはならないので、病院の独自のロゴマーク、シンボルマークを使用するのも良いと思われます。

 

 (2)大きな病院における案内表示の例 

 

 a. エントランス表示

 大きな病院は、外観や様子から、そこが病院であることの判別は可能ですが、敷地が広大ですのでメインのエントランス表示と総合受付の場所を多言語で表示しないと判りにくいと思われます。

 

 b. 院内表示

 外国人患者さんは、病気を抱えている上に日本語が十分でなければ、迷子にならないよう気をつけながら病院内を移動することは、それだけでストレスですし、多忙な医療スタッフにとっても道案内の説明は煩わしいものがあるでしょう。迷路のような院内を、総合受付→診療科受付→検査室→診察室→他の診療科→会計→処方箋発行と院内を歩き回るのには、判りやすい案内表示は必須と思われます。番号やアルファベット表示、色表示によって判りやすくなっているところもありますが、多言語表示や絵文字などのピクトグラムがあればより判りやすい表示となり、いわゆるユニバーサルデザインとなるでしょう。

 

 c. IT化

 最近は再診受付や自動支払機など、無人によるタッチパネル式の受付、会計が導入されています。まだ日本語のパネルしかないところが多いようですが、ATMなどのように多言語によるガイダンスも必要となってくるでしょう。

 

【多言語案内表示の例】 

 

 

 (3)開業クリニックにおける案内表示の例 

 

 a. エントランス表示

 大きな病院の場合と違い、外側の案内看板に、クリニックであることが判るようにすることと、できれば診療科と診療時間が多言語でわかるようにする工夫が求められます。

 

 b. 予約

 最近は待合時間の短縮のため、インターネット予約であったり、音声ガイダンスによる予約電話を導入している開業クリニックが増えてきています。高齢者の患者にとっても、この予約システムはわかりにくいと思われるますが、外国人患者にとっても同様です。多言語による音声やホームページのガイダンスも必要となってくる場合もあるでしょう。

 

 c. 注意書き案内

 診療時間変更や院内での注意事項など、日本語で案内表示しているものは、できれば日本語に併記して外国語での表示もほしいところです。

 

【多言語案内表示の例】